ライブスペクタクル「NARUTO」がライブスペクタクル「SASUKE」だった話

※本記事はライブスペクタクル「NARUTOうずまきナルト物語、漫画「NARUTO」のネタバレが含まれます。ご注意ください。

















ライブスペクタクル「NARUTOうずまきナルト物語を見てきた。
私は原作のファンで、舞台は初演、再演、暁編、暁編の再演と全て鑑賞している。他舞台はあまり鑑賞していない。なので、舞台ファンの方からしたら頓珍漢なことを言うかもしれない。一原作ファンとしての感想である。

今回、私が原作の話の中で1番好きなペイン編の舞台化ということで、楽しみ半分不安半分だった。


初演の時は原作漫画27巻までをやるとのことで、原作でも人気エピソードである中忍試験編や綱手編などをカット。まあしょうがないのかなあと感じた。さすがにあの時間の中で全部やるのは無理だと理解していた。それでもそこそこ楽しめた(これは原作知っていたから感じただけで、知らない人どうだったかはぜひ聞きたい)。
誰かがナルステは舞台というよりヒーローショーと仰っており、しっくりきた。面白かったというより、楽しかったと思った。

暁編はサスケVSイタチが中心とのことで、好きなエピソードだし楽しみにしていた。
急に歌が含まれるとのことでビックリしたのを覚えてる。え、歌うの?ってなった。初演でも大蛇丸が歌ってたけどあれはまあ不気味な感じを演出するためだと思ってたし、ミュージカルみたく歌いながらセリフを表現するということはなかった、と思う。
実際見てみて、ミュージカルまで振り切ってるわけではなかった。歌はみんな上手かった(素人目です)。でも歌ってないシーンのが好きだなあと思った。これは個人の趣味なんだろうな。
でもイタチがサスケにデコトンしながら歌っているシーンは笑ってしまった。そこで歌うんかい!って思った。周りは泣いてる人が多かった。演出の人と感覚が合わないなと思った。
ミュージカルとしてやるならもっと振り切って欲しかったし、初演からそういう風にして欲しかった。でもこれは個人的に合わなかっただけだし、多分イタチ役の方が歌が上手いからこういう演出になって、サスケの出番も次はあんまないだろうし続編があるなら歌わないだろうと勝手に思ってた。


そして暁編から時間が空き、続編であるうずまきナルト物語が発表された。キービジュからペイン編ということが分かり、とても楽しみになった。先述した通り、ペイン編が1番好きだったからである。
しかし、キャストが発表されて違和感を感じた。雷影関連いるんだあと。
そもそもペイン編をだけをやるならサスケは正直出番がない。でもいる。そしてどうやら五影会談もやるらしい。
どう考えても時間なくない?って思った。だって自来也VSペインやって、ナルトVSペインやって、ダンゾウVSサスケやるの?無理でしょ。。。と思ってたけどよく見たらダンゾウいない。
そして自来也VSペインはカットとわかってとてもショックだった。あの話がなければナルトVSペインの意味合いが変わってくるからだ。
ここの話はナルトが自来也という大切な師を失って、その仇であるペイン長門と対面し、赦しを覚えるというところにカタルシスがあると思っている。作者も何かで言っていた、ペイン編からナルトは戦って勝ったり負けたりとかそういったことではなくなってしまった、その先を考えなくてはいけなくなった。ナルトが本当の意味で成長したエピソードなんだと思っていた。だからこそこの話が好きだったのだ。
話の流れや時間を考えるなら、自来也vsペインやってナルトvsペインで終わるって方が絶対にしっくりくると思った。今でも思ってる。
でもダメなんだよね、それじゃ。だってサスケ出ないんだもの。

そしてキャストさんたちのブログで歌稽古あったみたいな記事を見て、また歌うんかいって落胆した。まあこれは個人の趣味である。しょうがない。

不安を感じながら見に行った。自来也VSペインはめちゃくちゃダイジェストで一応最初にやってた。大塚芳忠さんの声が聞けて嬉しかった。でもやっぱりカットされすぎて感動はなかった。
この後、ナルトは自来也の死を知って、めちゃくちゃ落ちこんで、綱手に当たったりするけれど、イルカ先生やシカマルに励まされ前を向くというエピソードがある。ここもめちゃくちゃ好きなシーンである。特にイルカ先生がアイス渡すとこ。でもカットである。ダイジェスト後、初っ端のナルトのシーンが暗号関連のとこでビックリした。お前、全然ショック受けてないじゃんwって思ってしまった。

そこから色々あってサスケVS八尾やったりしながらペインVS木の葉の里みたいになっていくのだが、舞台化というものの限界を感じた。多分原作知らん人何が起こってるかわかんなかっただろうなって思った。今までのエピソードとはスケールが違いすぎる。里が崩壊するとことか、正直あんまわからなかった。しょうがないね。
ナルトVSペインも、良かったがけれどやっぱりわかり辛いと思うところが多かった。でも個人としては仙人モードの衣装のナルトがでてきた時、ああこのシーンが見たくてナルステ来てたんだなあと感動した(本音を言えば松岡広大のこの姿が見たかったのだが)。

ヒナタのシーン、声が水樹奈々に似てた。アクションもすごくて女優さんすごいなあとか思ってた。でも感動は薄かった。
だって舞台始まってから今までほとんど出てなくて急に乱入してきたからね!せめてもうちょっと最初の方にヒナタとナルトのエピソード入れてくれ。。。とか思った。

ミナトが出てきた時も、このシーンが見たかったんだよなあと思った。好きなシーンだからしょうがないね。
でも急に歌い始めてやっぱり笑ってしまった。お前を〜♪信じてる〜♪

やっぱり色々カットした結果、長門がナルトをなんで信じようと思ったかが薄いなあと感じながら見ていた。しょうがないけど。じっくりやって欲しかったなあと今でも思ってしまう。長門の回想セリフはめちゃくちゃ長かったけど。。。

そして1幕最後、また歌ってた。お前を〜♪信じてる〜♪ナルトの仲間や長門弥彦小南、ナルトを信じる人達がナルトに思いを託していく 。
ここは笑わなかった。
歌の終わり、最後のところで紙吹雪が舞って終わる。私は結構感動したのだが、原作知らない人はなんで紙吹雪?ってなったんだろうな。だって小南の技の説明、そういえばなかった気がする。

1幕がこれで終わるのだが、1幕終わったとき後半何やるんだって思った。そういえば五影会談やるんだった。


五影会談編はつつがなく進んでいた。綱手がいる違和感が半端なかった。ダンゾウいないならここやる意味ないよなーって思いながら見てた。我愛羅役の方の声が石田彰ぽくてすごいなあとか思ったりした。

そして五影VSサスケを見て、私は理解した。
あ、ここが1番やりたかったとこなんだと。
明らかに演出の気合いの入れようが違う。なんか光ったり炎出たりしてた。
ペイン編では何やってるかイマイチわからなかったとこが多かった(これはしょうがないとこが多い)が、ここは違った。
私が原作のここのシーンあんま印象に残っていなかったからかもしれないが、めちゃくちゃ尺とって気合い入れてアクション演出してるなあと感じた。

よく考えたらサスケ側の状況とかは本舞台においてかなり詳しくやっていたように思う。まあダンゾウ戦ないのだけがアレだが。
ナルトの方もきちんと説明されてはいたが、いかんせんカットされてるところも多く、わかりづらいんじゃないかと感じた。過呼吸のシーンとか、ないんかいって思ったりした。

そんなこんなでサスケがナルトに宣戦布告して終了。サクラがナルトに嘘告白するとことか、サクラがサスケを殺そうとして殺せないとことか、すごい良かった(小並感)
ここで終わるってことは続編あるんだなあと思ったけど、さすがに戦争編はスケール更にでかくなって無理だし、ナルトとサスケ関連だけやるんかなとか思った。いやでもまだいっぱいやることあるしあと1回じゃ終わらんよな。。。



なんというか、順番的にも仕方ないが、ライブスペクタクル「SASUKE」うずまきナルト物語だなあと思った。
サスケの話を中心に今回はナルト側の話をやってるみたいな。
これは前回がサスケ中心の話で、今回の話はナルト中心だと思ってたからだと思う。私の中で前回でサスケの話はいったん終わりだと思ってた。思ってたよりサスケの話中心だったなあと感じた。
今回の話は自来也ペイン戦やってナルトペイン戦やって、それがうずまきナルト物語としての綺麗なまとまり方だとやっぱり思う。でもライブスペクタクル「SASUKE」ならしょうがない。サスケをVS八尾だけで終わらす訳にはいかないのだ。

そしてこれは今後もずっとしょうがないことなんだろうなと改めて理解した。
正直ナルステはサスケ役の佐藤流司の人気でもっているようなものなんだと思う。暁編からは特に顕著だ。
キャストの変更というのはスケジュールのこともあり、受け入れなくてはいけないものだとは理解している。けどサスケは変わらないんだろうなって思った。ナルトは変わってもサスケは変わらないのだ。たぶん。



私は今回の話が原作だと1番好きだが、舞台としては1番好きじゃないなと思った。
原作厨とは厄介なもので、自分の思い通りの内容でないと納得がいかないのである。
今までは何回か見に行っていたが、今回は1回でいいなと思った。
いい加減原作と舞台は別物であると理解しなくてはならないのである。